各キャリア、今後は有料顧客(長期契約者/サービスセット契約者)優遇へシフトか

先日行われた各キャリア(ドコモ/KDDI/ソフトバンク)決算会見において、一部キャリアで今後はMNPによる契約者数だけを追い求めない姿勢を示すようなコメントがなされている。

具体的にはKDDIとソフトバンクから、長期契約者や光回線や電気などのセット契約者への注力を打ち出している。

販促費を増やして契約者数を増やすMNP争いをしても、一部ではすぐ解約されてしまう状況もあり、利益に貢献しない。それなら数より質を上げていこうという方針なのだろう。

某サイトで度々目にする長期契約者優遇が実現されるのであれば喜ぶ人もいるのではないだろうか。各社の料金プランも横並び感も減っており、まさに理想とするサービスでの競争となりつつある。

 

ただ、MNPで行われていたような端末の大幅割引が、そのままそっくり既存契約者が機種変更で適用できるかは疑わしい。そもそも長期契約者になればなる程、放っておいても出ていかないので、そこに割引を増やす理由もあまりないのではないだろうか。現在通信環境がとやかく言われているドコモでさえも解約率は高くない(各キャリアで厳密な指標は異なると思うが、キャリア間ではドコモの解約率は一番低い)。
販促費を抑えたことで増益という未来も見える(実際過去にあった記憶がある)。

機種変更で安く買える様になれば、こちらとしてはありがたいが(iPhoneが機種変更で一括1円の記事もぜひ書いてみたい)、端末購入においては劇的に変わるような感じはないような気もする。

個人的には嫌だが、料金プランによって割引額を増やすという手法もある(高いプラン程割引額が大きい)。

もちろん光回線や電気やガスや決済関係では既存契約者に優遇や割引などはあるかもしれない。

あとは、単に毎月の料金が安いだけの長期契約者にはどうするのかも気になる所だ。各種サービス加入時にキャンペーンや還元などのお勧めを強化するのだろうか。
キャリアにとっての優良顧客は、ただ年数の長い安い料金の利用者ではなく、高い料金プランや各種サービスを契約してくれる人の方ではないだろうか。

 

 

今回の方針をソフトバンクが熱心に訴えている印象があるが、料金値上げに関しても他キャリアより前から値上げすると訴えていても未だ実施していないので(ワイモバイルは改定済みだがソフトバンクではまだ改定されていない)、実際本当にそうなるのかは不明だ。

かつては割引規制が始まった後も、「端末のみ購入」という割引を設けて割引22,000円上限(当時)の壁を突破した裏道を編み出したソフトバンクだけに、あくまでポーズだけでMNPのへの注力もそう簡単に捨てきれないのではないだろうか(最近は値引き分を返却プログラムでの支払い不要金額に充てるのに熱心なようだが)。

 

結局2019年から始まった、総務省やら有識者やらが色々引っ掻き回してキャリア間の競争促進というストーリーも大した効果がなかったと思われる。

 

ドコモが今回、他社の様な言及はなかったが、同じような方向へシフトしていく可能性もある。
現在とにかく客が欲しいのは大手(MNO)だと楽天くらいだろうか。

 

各社MNPへの優遇が急になくなるという訳でもないと思うが、それならそれで、その分をそっくり既存契約者に振り向けてくれるのかは、少々疑問だ。

 

 

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