【携帯電話】2021年4月から契約者がMNPの意思を示せば引き止めクーポン等提供不可に、ただし既存プラン等の説明に同意があれば条件付きで提供可能
先日公開された、総務省による「携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドラインの改正案」において、一連の改正案が2021年4月から運用予定となる。
・携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドラインの改正案に対する意見募集|総務省
改正案はいくつかあるのだが、その中の1つが引き止め行為の禁止である。
・携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドライン改正案(別添1:新旧対照表) ※PDF
これまで電話でMNPの予約番号発行などの際に、利用期間や契約内容によってはポイントやクーポンをプレゼントするから考え直せという提案を受けた人もいるだろう。
せっかくMNPしようと思っているのにしつこい、鬱陶しいと思っていた人もいた人にはあっさり予約番号を発行してもらえて嬉しいと思う改善であるだろう。
一方、MNPするかどうしようか迷っているが、とりあえず予約番号を発行しようと思った際に偶然提案を受け、MNPするより安く機種を買える事になって良かったという経験をした人もいるだろう。
そのため、何も引き止めのクーポン等の提案まで無くす事はないのではないかと思う人もいるのではないだろうか。
しかし、詳しく見ていくと、完全に引き止めのクーポン等に相当する提案は無くなる訳ではないようだ。
解約時の説明を聞いた後、それでもMNPを希望するのであれば引き止め行為は禁止となる
・携帯電話・PHSの番号ポータビリティの実施に関するガイドライン改正案(別添2:別紙PDF)※PDF
あくまで「利用者がMNP申込みの意思表示を行っている状態」での提供は不可となるだけで、その前段階でMNPするか迷っていたりする場合に、既存プランの説明等に利用者から同意を得られれば、引き止めクーポン等の提案は引き続き可能のようだ。
ただし、「MNPを検討している者のみを対象とした提供は禁止。他の一般利用者にも等しく提供されているものに限って提供可能。」という条件は付く。
この「一般利用者にも等しく提供されているもの」が、どの程度の範囲のものまで対象なのか不明だが、ドコモの場合、以下のような受信者限定の割引クーポンが配布されている場合がある。
・【受信者限定】ドコモからメッセージRでiPhone 12/12 Proも対象の機種変更で2.2万円割引クーポンが届いた
それともオンラインショップなどで実施されている割引のような、かなり広い範囲が対象になるものしか提供してはいけないのだろうか。
いずれにせよ、これまでの引き止めクーポン等ではないにせよ、何らかの特典の案内は引き続き可能となっている。
Webの場合は説明リンク集のページから案内されるようだ。そこで特典が案内できる条件に該当する人はクーポン等が発行される仕組みになるのだろうか(数年前のドコモの場合、特典が受けられるから記載の電話番号に電話してという案内があった)。
なので、さっさとMNPしたい場合は意思表示すると即座に予約番号を発行してもらえ、迷っている場合は取り敢えず説明に関する同意をすれば、何らかの特典が案内される予定となっている(利用期間や契約内容によるので必ずしも受けられるという訳ではないとは思うが)。
運用は2021年4月からが予定されている。