【レビュー】新型iPad mini(第5世代)を使ってみて〜見た目に変化はないが堅実な進化、出してくれた事に感謝
3月下旬に突如発表された、iPad mini(第5世代)だが、自分も購入してしばらく使っているので、気付いた点について書いてみたい。
A12チップが搭載されおり、iPad mini 4のA8から格段の進化を遂げた。iPad mini 4は持っていなかったので、あくまで店頭展示の実機とや家族が持っているものとの比較になるが、もたつきがなくなった印象である。
本来はiPhone XRで使いたかったA12チップが余ったという恩恵なのだろうか。
個人的にはそれなりに使用するSplit View(画面分割機能)も切り替えが表示が速くなった。
さらにSplit Viewからさらにアプリをもう1つ重ねる機能(Slide Over)にも対応、裏で起動しているアプリも操作可能となっている。これはRAMが3GBの恩恵だろうか。ちなみに裏で起動している操作は、RAM2GB搭載と言われている9.7インチiPad Proでは非対応となっている(Split View後にSlide OverさせるとSplit View表示のアプリ2つがグレーがかって操作できなくなる。Slide Overさせたアプリを画面端にスワイプさせる事でSplit View表示の操作が可能になる。)。
左が新型iPad mini、右が9.7インチiPad ProでSplit View後にSlide Overさせた画面。10.5インチiPad Proは新型iPad miniに操作可能である
さらにディスプレイの表示もTrue ToneやP3の広色域に対応したが、それ程違いがあるのかはよく分からない。ただ秋に登場すると言われているApple TV+も始まるので、今回それに合わせたのだろうか。mini 4の使い回しで構成されている感の強い本機では意外な強化ポイントである。
だが、何と言っても持ち運んで利用する際には、やはりこのサイズが軽く小さい事が挙げられる。これまでは10.5インチiPad Proを利用していたが、やはりそれなりに大きく重い。
ちなみにセルラーモデルではLTEの対応周波数がmini 4の時と比べると、ギガビット級LTEにも対応する他、個人的に大きいのは各社の1.5GHz帯であるBand 21(ドコモ)、11(au、ソフトバンク)に対応した点だと思っている。通信の高速化はそこまで必要ないと言う人もいるかと思うが、安定化が期待できるのではないだろうか。
一方、iPhone XRでは対応している3.5GHz帯には非対応なのがやや悔やまれる。
・iPad mini 仕様|Apple
・iPhone XR 仕様|Apple
Wi-Fi + Cellularモデル
・UMTS/HSPA/HSPA+/DC-HSDPA(850、900、1,700/2,100、1,900、2,100MHz)、GSM/EDGE(850、900、1,800、1,900MHz)
・ギガビット級LTE(バンド1、2、3、4、5、7、8、11、12、13、14、17、18、19、20、21、25、26、28、29、30、34、38、39、40、41、46
このため、各キャリアの主要周波数帯に対応するため、昔メディアの記事で見たが、iPad miniに限らず、iPadのセルラーモデルは最強のモバイルWi-Fiルーターにもなると言う事だ。バッテリーの持ちも十分である。
eSIMにも対応したため、海外旅行の際は重宝すると思われるが、国内ではKDDIがiPhoneにおいて、世界中でトラベルSIM事業を展開するGigSkyのプラットフォームを活用することで提供するに留まってる。
・日本初となるeSIMサービス「海外データeSIM powered by GigSky」を提供開始|KDDI
2回線目をeSIMで国内キャリアを利用といった状況にはまだなっていない。
さらに今回はApple Pencil(第1世代)にも対応した。自分の場合は過去にドコモでiPadを購入した際、Apple Pencilセット割というキャンペーンが行われていたため、10,000円引きで購入できた(2,000円未満で購入)。充電方法が滑稽な部分もあるが、自分は追加費用なしに流用できるのがありがたい。
ただ、11インチ/12.9インチのiPad Proを購入した際に、第2世代のApple Pencilを購入し、第1世代のApple Pencilを手放した人や、今になって第1世代のApple Pencilを新規で購入しなければならない人にとっては、やや躊躇する部分ではあるかもしれない。ここは個人個人の状況によって賛否が分かれる所だろう。
一応絵は書かなくてもSafariなどの操作もApple Pencilで行う事で指紋が付かないというメリットもある。Dock表示など一部操作は指で行う必要があり、何でもかんでも行える訳ではないのだが、意外と便利である。
特にこれまで9.7インチ以上のiPadを使ってきた人にとってはアイコンやボタンなどが小さく感じる人もいるだろう(自分もそうだったが)。文字サイズ等を大きくすれば解決するかもしれないが、指より正確な位置をタップできる。
そのためだけの購入は、あまりお勧めはできないが絵を描く以外のメリットとしてはそのような部分もある。
iPad miniとApple Pencil。本体サイズの割にペンシルは長い。ちなみに純正カバーの端にくっ付く(磁力は強くない)
Apple Pencil用の純正レザーケースも販売されている(税別3,500円)
ケースやフィルムについては以下。
・新型iPad mini(第5世代)にiPad mini4純正ケースは装着自体は可能、位置ずれするもカメラ撮影に大きな問題なし、音量ボタン誤動作もなし
・新型iPad mini(第5世代)用に購入したケースとガラスフィルムについて〜ケースはカメラ位置も問題なしで装着可能
・新型iPad mini(第5世代)の純正カバー対応背面ケースを買いました〜カバーとの隙間は若干気になる
次に今回のiPad miniをどのように選んでいくかも簡単に紹介したい。
64GBモデルか256GBモデルか
アプリや動画などを大して入れない、こまめに管理ができる人は64GBでも良いが、アプリや動画などをたくさん入れる、管理するのが面倒、したくないといった人は、少し値上がりするが256GBをお勧めする。今後いつまた新しいminiが出るか分からないからという理由もあるが。
Wi-FiモデルかCellularモデルか
大体、iPad買いました系のブログ記事ではセルラーモデルを買いましたの方が多い印象だが、miniに関しては持ち歩く可能性があるのならば、セルラーモデルをお勧めしたい、自分もiPadはインチ数問わず、セルラーモデルしか購入した事がない。上でも書いたが、iPadが国内キャリア主要周波数帯に対応したモバイルルータ代わりになるもの魅力の1つだと言える。
テザリングすれば良いと思う人もいると思うが、人が多い駅などでは接続に失敗する場合もある。
初めてのiPadで、まだ使い道が固まっていない、全く外で使う予定もない場合はWi-Fiモデルで良いと思う。セルラーモデルは次回の買い替えで検討してみると良いだろう。
家でしか利用しないのであれば、画面サイズの大きいタイプも候補になるかと思うが、家の中での持ち運びや、置き場所を考えるとminiのサイズは使い勝手は良いのではないだろうか。
iPad miniを選択しない方が良い人(よく考えた方が良い人)について
一方、今回の新型iPad miniの購入を迷っている人で、以下のような人は購入はよく考えた方が良いだろう。
これまで9.7インチ以上のiPadを使用してきた人
上でも書いたが、自分もこれまで10.5インチiPad Proを使用していて、iPad miniは2013年発売のiPad mini 2(発売当時はiPad mini Retinaディスプレイモデル)で久しぶりのminiとなる。
なので、データ移行時に表示サイズを以前のiPadと同じままで使っていると、画面サイズの縮小化に伴い、アイコンやボタンが小さくなっている(当たり前だが)。
これまでのiPadのようにDockに沢山アプリを置いておくと、目的のアプリにタップし辛くなり、隣のアプリをタップしてしまったりする現象が起きる(特に縦画面使用時)。なので画面サイズに合わせた配置の工夫を行う必要が出てくる。
Apple Pencilで操作すると、小さいアイコンやボタンもタップしやすいというメリットはある。
iPad Pro仕様が欲しかった人
狭額縁ベゼル、Face ID、4スピーカー、USB-C、第2世代Apple Pencil、スマートコネクター、ProMotionテクノロジー対応等、現在販売されている11インチ/12.9 インチのiPad Proの仕様そのまま、もしくは一部を取り込んで出して欲しかった人もいるだろう。
しかし、最近はパソコンの代わりに利用できるような使い方を提示しているiPadに、miniのような画面サイズでアップルがそこまで取り組むのかが懐疑的である。
仮にPro仕様が出たところで価格は跳ね上がるだろう。今回、mini 4とほぼ同じ筐体、Lightningコネクタ、Apple Pencilも第1世代に対応した事などで、Wi-Fiモデルの64GBが45,800円からに収まっているという見方もできるのではないだろうか。
USB-Cに対応した所で、また新たにケーブルを書い直す必要が出てくる人もいるだろう。これまで買ってきたのものの流用もできなくなる。
個人的にはこのサイズでは小さいとは分かっているが、記事執筆のためにスマートコネクターを搭載して純正キーボードを出して欲しかった。
新鮮さ、目新しさ、ワクワク感を求めている人
上で書いた事と一部重なるが、中身を強化したものの、見た目がmini 4とほぼ変わっていないので新鮮さはない(音量ボタン、カメラ、マイク位置に若干の変更があるのでケースの流用はできない場合がある)。
中には上下のベゼルが広い事に怒りを感じる人もいるだろう。
なので、いわゆるガジェット類を持つ事に喜びを感じるタイプの人は、目新しさがない、古臭いと思うかもしれない。
あくまで道具として見ている人にとっては意味不明に感じる人もいるかもしれないが、ワクワク感というものが無いと感じているのではないだろうか。
しかし見た目がほぼ変わらないという事は、iPad mini 4を使っていたような人は、しれっと買ってケースやカバーでも着けておけば、周りからばれる事もないという事にもなる。
アップルはiPhone SE同様、iPad miniに対してそれ程熱心であるかはやや疑問でもあり、サイズ的には将来的にiPad Proへ移行してくれる可能性のありそうな、iPad Air(第3世代)の方が売れて欲しいと思っているのではないだろうか。
とにかく2015年の秋から、3年半程新型が発売されなかったiPad miniが発売された事に対しては、ひとえに感謝という所だろうか。中には不満ががある人もいるとは思うが、出てくれただけでも御の字という感じもある。
今後いつ出るか分からないが、次回出たとしても1世代前のチップや他のiPadシリーズより見劣りするスペックで登場の可能性もある。
今回たまたま新型iPhone向けのA12が余っていたのではないかとの噂や(単に長く利用してもらうために搭載したのではないかとも考えられるが)、Apple TV+発表に合わせてディスプレイ面での強化も図られたのはタイミング的に大きいのではないだろうか。Apple Pencilにも対応した(第1世代ではあるが)。
現行チップ搭載で発売されたのは、A7チップを搭載した2013年発売のiPad mini 2(発売当時はiPad mini Retinaディスプレイモデル)以来である。ちなみに同じ年に発売されたiPhoneは5sと5cで、5sはA7、5cはA6チップであった。
見栄えこそこれまでと変わっておらず派手さはないものの、中身はmini 4から堅実な進化のため、ある程度は納得できるものになっているのではないだろうか。
iPhone Xシリーズに対してのiPhone 7や8に通ずる所もある。
このサイズ感のiPadを求めている人は購入をお勧めする。
ビックカメラでも新型iPad mini本体(Wi-Fiモデルのみ)、純正カバー、第1世代のApple Pencilが等購入可能となっている。
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